2015年2月23日月曜日

【開催レポート】サッカー×ITインプットワークショップ

地域のサッカーが抱えている現状や課題、展望は何でしょうか。
三八地域でサッカーに携わる皆さんと一緒に、地域のサッカーがどのような課題や展望を持っているか、どのように解決できるかについてアイデアワークショップを二週間連続で開催します。
第一週目は「サッカー×IT インプットワークショップ」です。

【開催概要】
▼日時:2015年2月22日(日)13:00~17:00
▼会場:八戸ワシントンホテル ワシントンホール
(八戸市十三日町7 9階)
▼講師:松坂匡克(まつさか まさかつ)氏(青森ゴール 代表)
     柴田侑幸(しばた ゆうこう)氏(NPO法人スタリオンスポーツエンターテインメント理事長/ノーザンライツ株式会社・ヴァンラーレTV制作チーム)
     砂金よしひろ(いさご よしひろ)氏(株式会社プレイズファースト 代表取締役)
松坂匡克氏

柴田侑幸氏

砂金よしひろ氏

最初に地域のサッカー事情について、青森県サッカー&フットサル情報誌「AOMORI GOAL」を発行している青森ゴールの代表・松坂匡克氏と、ビーチサッカーをはじめとしたスポーツとエンターテインメントを中心とした地域のネットワーク活性化等を図る事を目的に活動しているNPO法人スタリオンスポーツエンターテインメント理事長であり、ノーザンライツ株式会社・ヴァンラーレTV制作チームに所属している柴田侑幸氏からお話をいただきました。

①青森ゴール 松坂氏
地元・八戸で小中高と部活動でサッカーを続けたあと、一時サッカーを断念しましたがその後さまざまな職業を経験している内にサッカーへの情熱が再び湧きあがり、2009年に雑誌「AOMORI GOAL」を創刊されたそうです。

松坂さんには地域サッカー雑誌の仕事を通して感じた課題・疑問を挙げていただきました。

≪地域サッカーの課題・疑問≫

■なぜトップレベルの試合が出来るスタジアムがないのか

■子供たちはトッププロを目指す夢を持つことが出来ているのか
(プロになれない場合の道筋も用意してあげるべきではないか、雑誌の方でもそういった道に進んだ人を紹介しようかと考えていると話していました)

■Jリーグを目指しているクラブは今のままで実現できるのか


②NPO法人スタリオンスポーツエンターテインメント理事長/ノーザンライツ株式会社・ヴァンラーレTV制作チーム 柴田氏
「サッカー×ITの活用例」の紹介ということで、最近の話題から、Jリーグがトラッキングシステムを導入したニュースを最初にご紹介いただきました。
この他にも以下のような例を挙げていらっしゃいました。

●Jリーグの観戦者調査
 観戦者がどこから来たか、誰と来たか、どういうところでJリーグの情報を得ているかなどのアンケート結果を分析する。リーグに来るお客さんの客層を把握し、グッズ販売の傾向などに役立てているそうです。

●試合映像を活用した技術・戦術分析・モチベーションビデオの導入
 相手の試合映像を見て戦術分析をしたり、自分たちのモチベーションを上げるためのビデオを試合前に見て気持ちを盛り立てたりしている。

●SNSを活用した広報戦略
 SNSを使う事で試合結果などをファンに簡単に共有できるようになった。

●ヴァンラーレTVインターネット版
 ヴァンラーレとノーザンライツ(株)が業務提携して実施しているYouTubeを活用した広報番組。
 ノーザンライツ(株)は元々インターネットリサーチなどがメイン業務でしたが、代表の「八戸へ地域貢献をしたい」という思いから実現したそうです。
 試合のダイジェスト映像、インタビューだけでなく選手やクラブの活動に関する様々なコーナーを配信しています。番組を見た人が、クラブに興味を持ち、スタジアムへ実際に足を運ぶようになることを目標にしているとの事でした。
 番組を見て興味を持った人がヴァンラーレの試合を見に来てサポーターになり、スポンサーが増えればいいと考えている、とお話していました。
  
お二人からサッカー事情について聞いた後、さらに詳しく知るための質疑応答を行いました。

司会:地元の人にとって、サッカーはどのように見られているのでしょうか。
松坂氏:子供のサッカーチームは保護者が盛り上げている。一番サッカー熱が盛り上がるのは日本代表の活躍によって。地域においては地域のサッカーチームが盛り上がっているといってファンが増えているというのは見られていない。少しずつファン層は増えている。
柴田氏:二年半ほど番組に携わっている中で一番盛り上がるのはイケメン・美女というところ。ヴァンラーレのイケメン選手の紹介や美女を探してヴァンラーレガールとして紹介するなどして人気が出ることはある。

司会:広告主がサッカーを応援する一番のファクターは何ですか。
松坂氏:費用対効果があるかといったらまだないと思う。理屈なしに青森ゴールを通じてサッカーを盛り上げたいという気持ちで広げているような感じ。

司会:(参加者の学生プレイヤーに対し)サッカーを志しつつ今後こんなことをしたいというビジョンはありますか?
参加者:青森にチームがあれば地元でやりたい。
司会:青森に女子のプロサッカーができそうな風潮はありそうですか?
松坂氏:なければだめだと思う。観光資源の大きな一つになりうる。

司会:アマプロの人たちがサッカーをしていると聞いても娯楽として見に行く人はなかなかいない。チケットを屋台で買って見に行くチームが青森にありますか?
柴田氏:去年からヴァンラーレでスタートした。

司会:盛岡だとアイドルグループが農業をやるなど、売り手のキャラクター性を生かして宣伝しているところがある。サッカーでもそういう動きはありますか?
柴田氏:女子選手が泥んこサッカーをした後田植えをし、できたコメを地元の人に振舞って宣伝等しているチームがある。

また、参加者の皆さんからサッカーを始めた理由について聞きました。
周りの人に誘われて始めた、影響されて始めた、という方が多かったです。

先ほどヒアリングした内容を踏まえ、課題出しワークを始めます。
サッカーの課題や疑問を出していただいた二人にもチームに入ってもらってデザイン思考型のワークショップをします。
  
(1) サッカーを楽しむうえでの課題は何か(プレイヤー・観戦者視点)(15分)

「会場の設備が整っている」「BGMがあると盛り上がる」というアイデアの他にも「イケメンマネージャーがいるとテンションが上がる」「美人のチアリーダーがほしい」といったアイデアも出ていました。

(2) どのくらいの期間で実現してほしいか振り分ける

2015年から2020年まで期間を設定し、どの課題がどれ位の期間で実現してほしいかを振り分けます。

(3) サッカーを楽しむために必要なことが実現すると何が変わるか?(20分)

(1)で出したアイデアが実現するとどう変わるかについてアイデアを出し合います。

(4) 2×2 観戦者とプレイヤー側、どちらに比重が大きい課題か分けるワーク

(2)で実現してほしい期間で振り分けましたが、それにプラスして出したアイデアは観戦者とプレイヤーのどちらに比重が大きいかについても振り分けました。

(5)「実現すると何が変わるのか」で出たセンテンス以外に実現するための他の手法は考えられないか(20分)

(1)を実現するための手法に別のやり方がないかを考えます。なかなか難しいようで、グループでどんな手法が考えられるかよく話し合いながら進めていました。

アイデアワークをした後、砂金氏から「IT事例紹介」をしていただきました。
普段砂金氏が子供たちに教えているScratchを使ったプログラミングの紹介からスタートしました。
Scratchとは、初心者が最初に正しい構文の書き方を覚えることなく結果を得られるプログラミング言語学習環境のことです。視覚的にプログラミングを学べるという事で人気のあるプログラミングです。
iPadでも体験できるという事で、参加者の方に実際に触れてみていただきました。

次にデバイス紹介をしていただきました。
紹介していただいたデバイスは以下の通りです。

●Leap Motion:センサーの上に手をかざすと画面を操作できる。

●ハコスコ:段ボール製のビューワーにカメラモードにしたスマートフォンをセットすると手軽にバーチャルリアリティ体験ができる。

●hue(ヒュー):ライトの色や明るさをスマートフォンで操作できるLED照明。

●ドローン:3時間の充電で5分間飛ばすことができる。スマートフォンで簡単に操作が可能。

●表情によってスマートフォンの画面の色が変化するセンサー
話し手がいつ感情をこめているのかの数値化を現在試作で作っているそうです。

●心拍数を図るデバイス:胸にデバイスを装着し、Bluetooth経由で心拍数を図ることができる。4000円くらいで購入できるだけでなく、自作するのも簡単だそうです。

●sphero(スフィロ):ボール型の光るデバイス。Bluetoothで接続したスマートフォンで操作するとコロコロと転がる。
スフィロにモップを付けると簡単なお掃除ロボ代わりになると紹介していました。

砂金さんは、プログラムやおもちゃは使い方によってどんな問題でも解決できると話していました。また、楽しんで問題解決することが重要ともおっしゃっていました。

IT事例紹介を聞いたら、いよいよ最後のワークです。

(6) 実現のためにITを使った手法は考えられないか(10分)

先ほど出したアイデアを実現するためにITを使った手法がないかを考えます。砂金さんのワークでITで色々な事が出来ると学びましたが、実際どのように活用できるか悩んでいる参加者も多かったようです。

参加者の皆様に、今日出た実現してほしいアイデアの中から自分が一番実現してほしいアイデアに星マークを書いてもらい、終了となりました。

講師を務めてくださった砂金様、松坂様、柴田様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました。

今回出たアイデアや課題は、2月28日(土)に開催する「サッカー×IT アイデアワークショップ」の素材として活用します。
イベントに関する詳細は下記リンクよりご覧ください。

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